善と悪の狭間で・・・
微笑むジゼルを見ると、リョーガは腕を組んで口を開いた。
「リョーでいい。ちゃんはつけるな。あとさんもな、ジ………ジー………えーと………」
名前が思い出せない様子のリョーガ。
助けを求めるように兄2人を見上げるが、2人は笑うだけで知らん顔。
「ジゼルです。」
笑いながらジゼルはそう言うと、リョーガは2人を睨みながら何度も頷いた。
「そうそうジゼル。ジゼルか………じゃぁ、ジゼな。」
「え?」
「お前のあだ名。」
「ジゼちゃん………いいね。」
突然のその言葉に首を傾げていると、リョーガだけでなくコウガも納得したように頷いていた。
ヴェルディはその話に参加する事なく、どこまでも続くこの地を歩き始める。
それに気づいたコウガはヴェルディの後を追い、そしてリョーガは…
「行くぞ。」
ジゼルの手を取り走り出したのだった。
4人の足跡は風に消され、粒子状の砂が舞い上がると共に4人は姿を消した。