善と悪の狭間で・・・
眩しい太陽は元気に地を照らし、柔らかい雲は青い空の中をゆっくりと進んで行く。
絵に描いたようなその青空の下、人々は笑顔で挨拶を交わし合い、いつもと変わらぬ日常を過ごし出す。
幸せそうな笑い声が響く中、ある家の部屋に爽やか風が舞い込んだ。
大きな窓からやって来たその風は、レースをあしらった薄いピンクのカーテンをユラユラと揺らす。
暖かな日差しを受け、その部屋の中で眠っていたジゼルはゆっくりと目を覚ました。
小鳥の奏でる音楽を聴きながら大きく伸びをすると、プラチナブロンドの長い髪をとくと部屋を出る。
階段を降りリビングへと向かっていると、ジゼルの目の前に何者かが現れた。
「おはよう、ジゼちゃん。」
「おはようございます。」
ブラウンの髪をした美少年、コウガである。
コウガはリビングから顔を出すと優しく微笑み挨拶。
そんなコウガにジゼルは礼儀正しく頭を下げた。
「昨日はよく眠れた?」
「はい、お陰様で。」
コウガの問いにジゼルはにっこり笑って答えると、2人はリビングへと向かうのだった。