∞いちしのはな∞

「36度4分」

口にくわえた体温計を抜いて呟くトモは
毛布を剥いで体を伸ばす。

「回復!」

「本当に1日で治るね。」

「よーし、出掛ける」


頭をわしわしとかきながら、着替えを探しに寝室へ。

5分もたたない間に現れた彼女は、デニムにタンクトップにキャップと言うラフな装いで玄関へ向かう。
足を突っ込むペッタンコのサンダルは僕がプレゼントしたものだ。

嬉しいが、毎日どこへ向かうんだろう。
気になるけど、詮索されるのを酷く嫌う彼女の事だ、
ついて行ったりしてバレたりした時には一生分僕を嫌うだろう。
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