∞いちしのはな∞
◇
「今日もおはよう。イツキ」
「おはよ…」
しどろもどろと一人慌てていても彼女は大きな欠伸で涙を滲ませ
ぺたぺたと去って行く。
今日も出かけるの?
聞きたいのに聞けない。
じめったい自分を呪う。
昔から、だ。
僕はいつもすぐ物おじして立ちすくんで、なかった事にする。
こんな僕を彼女は「イツキは失敗しない人」と皮肉めいて褒める。
背中の後ろから、ばたーん、と冷蔵庫が閉まる音がして彼女はゴクゴク喉を鳴らしてる。
「おはよ…」
しどろもどろと一人慌てていても彼女は大きな欠伸で涙を滲ませ
ぺたぺたと去って行く。
今日も出かけるの?
聞きたいのに聞けない。
じめったい自分を呪う。
昔から、だ。
僕はいつもすぐ物おじして立ちすくんで、なかった事にする。
こんな僕を彼女は「イツキは失敗しない人」と皮肉めいて褒める。
背中の後ろから、ばたーん、と冷蔵庫が閉まる音がして彼女はゴクゴク喉を鳴らしてる。