∞いちしのはな∞
ぱたーん
気の抜けたドアが閉まる。彼女の香りをほんの少し残して。

もう僕は窓から小さな彼女を見下ろすことすらしない。

ただ、規則的に日々積み重なっていく
僕のコレクションの映画の山を
ぼんやりと眺めている。

何かの終わりを
明確に察知して、ぼんやりと其の山を眺めている。

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