気狂いナースの注射芸
「野中先生も首吊り自殺したでしょ? 呪われてるのかしらね」
「まさか。――あ、私今から休憩なんです。コーヒーでも飲んで来ます」
「ああ、引き留めてごめんなさいね」
「いえ」
婦長と美枝は、それぞれ反対側へと歩き出した。
美枝はコーヒーの自販機の前を通り過ぎ、角を曲がって監視カメラの死角に入った。
階段の下の忘れられた小部屋のドアの前に立ち、ただ一つしかない小部屋の鍵を鍵穴にさしこんだ。
「有藤先生、御飯を持って来ましたよ」
終了。