放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
柔道を続けなくてもいい、と思っていた俺の気持ちは、そんな熊田先輩の一言で吹き飛んだ。
早速次の日には入部届けを提出し、練習に参加していた。
新入部員は6人、俺以外は初心者か、中学で普通にやっていた奴だ。
2年生は4人、これも普通の高校レベル。
そして3年生が、主将と熊田先輩の2人。
総勢12人、これでも進学校にしては多い方らしい。
練習も、道場での稽古に比べれば、別段キツイものでもなく、基礎、打ち込み、乱取り、寝技の順に、2時間程。
あっという間に終了し、拍子抜けしつつ汗を拭いていると、熊田先輩が話し掛けてきた。
「おい、物足りないだろ?」
「わかりますか?ちょっと物足りないです。高校の柔道部ってこんなものなんですかね?」
熊田先輩は笑ってる。
「そりゃ、私立の強豪校とかは、ゲロ吐くまでやるけどな、うちは受験勉強とか塾とか忙しい奴らも多いからな、練習はあんなもんにして、やりたい奴だけ居残りでやるんだよ、まあ、俺以外はほとんどみんな帰るんだけどな」
熊田先輩は柔道着の上を脱いで汗を拭いている。胸板が厚い。すげー筋肉。
「そうなんですか、俺はもっとやりたいです。今日は俺も居残りで練習していきますから」
熊田先輩は俺の目線に気が付いたのか、柔道着を羽織り照れたように言う。
「そうか、じゃあ今日は2人で居残り練習をしよう」
熊田先輩の笑顔がまぶしい。他の奴らには怖い顔ばかりしているが、俺にはなぜか笑顔で接してくれる。
寝技を教えてくださいと言った俺を、弟みたいに思ってくれてるのだろうか。
俺の柔道は、寝技の柔道だと言い切る男。
こんな先輩がいる柔道部に入れて感謝だ。
確かにあの筋肉をみれば納得。寝技を極めるには、ああいう身体にならなくてはいけないと思い知らされる。
俺はたまらず聞いた。
「あの、熊田先輩、すげー筋肉ですよね、やっぱウエイトとかやり込んでるんですか?」
熊田先輩の表情がゆるむ。
「ああ、練習終わったあとにな。一人じゃ乱取りも出来ないしウエイトに時間をさくことは多いんだ。ふふふ、お前、筋肉に興味があるみたいだな。今日は寝技でも教えてやろうと思っていたんだが、ウエイトトレーニングにするか?寝技は…、なにも急ぐことはない。その…、楽しみは…、とっておくのも良いもんだ」
早速次の日には入部届けを提出し、練習に参加していた。
新入部員は6人、俺以外は初心者か、中学で普通にやっていた奴だ。
2年生は4人、これも普通の高校レベル。
そして3年生が、主将と熊田先輩の2人。
総勢12人、これでも進学校にしては多い方らしい。
練習も、道場での稽古に比べれば、別段キツイものでもなく、基礎、打ち込み、乱取り、寝技の順に、2時間程。
あっという間に終了し、拍子抜けしつつ汗を拭いていると、熊田先輩が話し掛けてきた。
「おい、物足りないだろ?」
「わかりますか?ちょっと物足りないです。高校の柔道部ってこんなものなんですかね?」
熊田先輩は笑ってる。
「そりゃ、私立の強豪校とかは、ゲロ吐くまでやるけどな、うちは受験勉強とか塾とか忙しい奴らも多いからな、練習はあんなもんにして、やりたい奴だけ居残りでやるんだよ、まあ、俺以外はほとんどみんな帰るんだけどな」
熊田先輩は柔道着の上を脱いで汗を拭いている。胸板が厚い。すげー筋肉。
「そうなんですか、俺はもっとやりたいです。今日は俺も居残りで練習していきますから」
熊田先輩は俺の目線に気が付いたのか、柔道着を羽織り照れたように言う。
「そうか、じゃあ今日は2人で居残り練習をしよう」
熊田先輩の笑顔がまぶしい。他の奴らには怖い顔ばかりしているが、俺にはなぜか笑顔で接してくれる。
寝技を教えてくださいと言った俺を、弟みたいに思ってくれてるのだろうか。
俺の柔道は、寝技の柔道だと言い切る男。
こんな先輩がいる柔道部に入れて感謝だ。
確かにあの筋肉をみれば納得。寝技を極めるには、ああいう身体にならなくてはいけないと思い知らされる。
俺はたまらず聞いた。
「あの、熊田先輩、すげー筋肉ですよね、やっぱウエイトとかやり込んでるんですか?」
熊田先輩の表情がゆるむ。
「ああ、練習終わったあとにな。一人じゃ乱取りも出来ないしウエイトに時間をさくことは多いんだ。ふふふ、お前、筋肉に興味があるみたいだな。今日は寝技でも教えてやろうと思っていたんだが、ウエイトトレーニングにするか?寝技は…、なにも急ぐことはない。その…、楽しみは…、とっておくのも良いもんだ」