放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
「主将お疲れさまです!」
俺は新入部員らしく声を張る。
「声でかいよ」
用を足しながら主将は笑って言う。
「しかしお前強いな。立ち技だけなら県でも上狙えそうだし、夏の大会が楽しみだよ」
初日から主将に誉められるなんてやっぱ嬉しい。
「はい、でも寝技がまだまだなんで、熊田先輩ご指導願うつもりです」
俺の言葉を聞き、主将の顔つきが変わる。
「熊田が!?教えるって言ったのか、寝技を!?」
俺はなんだろうと思いながら
「はい、寝技を指導してくれるって…。あ、今日は居残りでウエイトトレーニングを指導してくれると…」
用を済ませた主将は、俺の横に近寄り囁いた。
「あのな…、お前はまだわからないだろうが、なんて言うかな…、熊田はちょっと変わってるというか、いや、良い奴なんだが、その…、居残りで練習はまずいというか」
主将の目は真剣だが、俺には言葉の意味がよくわからない。
「…?熊田先輩は優しく素晴らしい方だと思いま…」
主将は俺の言葉を制し
「いや、それはそうなんだが…、違くてな、はっきり言うとな、熊田はな…」
主将がそこまで言うと、トイレの入り口から咳払いが聞こえた。
「ンヴン!」
熊田先輩だ。少し怖い顔をして主将を睨んでる。
「塾に間に合わないんじゃないか?早く帰ったらどうだ?主将?」
主将は俺の肩を軽く叩きながら、
「とにかく気を付けろよ、お前には辞めてもらいたくないからな」
と熊田先輩に聞こえないように小声で言い、俯きながらトイレを後にした。
俺は新入部員らしく声を張る。
「声でかいよ」
用を足しながら主将は笑って言う。
「しかしお前強いな。立ち技だけなら県でも上狙えそうだし、夏の大会が楽しみだよ」
初日から主将に誉められるなんてやっぱ嬉しい。
「はい、でも寝技がまだまだなんで、熊田先輩ご指導願うつもりです」
俺の言葉を聞き、主将の顔つきが変わる。
「熊田が!?教えるって言ったのか、寝技を!?」
俺はなんだろうと思いながら
「はい、寝技を指導してくれるって…。あ、今日は居残りでウエイトトレーニングを指導してくれると…」
用を済ませた主将は、俺の横に近寄り囁いた。
「あのな…、お前はまだわからないだろうが、なんて言うかな…、熊田はちょっと変わってるというか、いや、良い奴なんだが、その…、居残りで練習はまずいというか」
主将の目は真剣だが、俺には言葉の意味がよくわからない。
「…?熊田先輩は優しく素晴らしい方だと思いま…」
主将は俺の言葉を制し
「いや、それはそうなんだが…、違くてな、はっきり言うとな、熊田はな…」
主将がそこまで言うと、トイレの入り口から咳払いが聞こえた。
「ンヴン!」
熊田先輩だ。少し怖い顔をして主将を睨んでる。
「塾に間に合わないんじゃないか?早く帰ったらどうだ?主将?」
主将は俺の肩を軽く叩きながら、
「とにかく気を付けろよ、お前には辞めてもらいたくないからな」
と熊田先輩に聞こえないように小声で言い、俯きながらトイレを後にした。