放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
主将は呆れながら言い放った。
「熊田!まだ懲りてねえのか!俺はドアの向こうで、ずっと聞いてたんだよ!お前のそれは…、もう病気みたいなもんだな!」
主将がなぜ声を荒げているのかが、俺にはいまひとつわからない。
熊田先輩は下を向いてつぶやく。
「帰ったんじゃないのかよ…。いつからいたんだ…」
主将はもう笑うしかない、といった感じで
「マッサージをしてやろう、のくだりからだよ。気になって戻ってきたらこの様だもんな、相変わらずだな、熊田!」
熊田先輩は押し黙っている。
「熊田、お前もわかってるだろ?こいつは他の一年坊とは違うんだよ。二年の奴らと比べても、断然戦力になる。夏の大会の団体戦を考えたら、こいつには辞めてもらっては困るんだよ。それをお前は自分のことだけ考えやがって」
うつむく熊田先輩の目に涙がにじんでいる。
「すまん…」
俺はたまらず口を挟んだ。
「主将、熊田先輩は、俺にただ筋肉トレーニングを教えてくれてただけで、それでマッサージまでしてくれて…」
主将は俺を制して言う。
「わかってる、ずっと聞いてたからな、お前に落ち度はない。悪いのはすべて熊田だ」
つられて俺も大声になる。
「だから!主将がどうして怒ってるのかわかりませんが、熊田先輩は何も悪くありません。熊田先輩は夏の大会にすべてをかけてるんです。だから、俺を強くさせようと、居残りで親身になって指導してくれて、熊田先輩は言ってました。“俺の恋人は柔道だ”って。熊田先輩は男の中の男です」
「熊田!まだ懲りてねえのか!俺はドアの向こうで、ずっと聞いてたんだよ!お前のそれは…、もう病気みたいなもんだな!」
主将がなぜ声を荒げているのかが、俺にはいまひとつわからない。
熊田先輩は下を向いてつぶやく。
「帰ったんじゃないのかよ…。いつからいたんだ…」
主将はもう笑うしかない、といった感じで
「マッサージをしてやろう、のくだりからだよ。気になって戻ってきたらこの様だもんな、相変わらずだな、熊田!」
熊田先輩は押し黙っている。
「熊田、お前もわかってるだろ?こいつは他の一年坊とは違うんだよ。二年の奴らと比べても、断然戦力になる。夏の大会の団体戦を考えたら、こいつには辞めてもらっては困るんだよ。それをお前は自分のことだけ考えやがって」
うつむく熊田先輩の目に涙がにじんでいる。
「すまん…」
俺はたまらず口を挟んだ。
「主将、熊田先輩は、俺にただ筋肉トレーニングを教えてくれてただけで、それでマッサージまでしてくれて…」
主将は俺を制して言う。
「わかってる、ずっと聞いてたからな、お前に落ち度はない。悪いのはすべて熊田だ」
つられて俺も大声になる。
「だから!主将がどうして怒ってるのかわかりませんが、熊田先輩は何も悪くありません。熊田先輩は夏の大会にすべてをかけてるんです。だから、俺を強くさせようと、居残りで親身になって指導してくれて、熊田先輩は言ってました。“俺の恋人は柔道だ”って。熊田先輩は男の中の男です」