放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め

部室のドアの前に立つ俺。

「んふ〜！んふ〜！」

中からは、規則的な鼻息が聞こえてくる。

それと共に、バーベルのｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬした音。
熊田先輩は、やはり筋トレをしてるみたいだ。

「ヨ〜ソロ〜！ヨ〜ソロ〜！ヨ〜ソロ〜！」

掛け声も聞こえてくる。
さすが熊田先輩、掛け声も人と違う。
掛け声が“ヨ〜ソロ〜！”とか、まじハンパじゃない。
きっとかなりハードなトレーニングをしているのだろう。

俺は意を決してドアをノックしてみた。

けっこう大きな音。
しかし中から返事はない。

熊田先輩は、相当トレーニングに集中してるみたいだ。
やっぱ人とは違う。

しかし、このままドアの前で立っててもしかたない、俺はドアを開けた。

「失礼します！！」

部室の中には熊田先輩、１人向こうをむいて、バーベルをあげてる。

ピチピチブリーフ１枚で、筋トレする熊田先輩。
鍛え込まれた背筋に、汗がしたたり落ちている。

「熊田先輩？」

呼び掛けるが反応無し。
それもそのはず、熊田先輩の耳にはヘッドフォンが。

爆音で聴いているのだろう。
熊田先輩は俺に気付かない。


ヘッドフォンからは長渕剛的な歌声がもれている。

長渕剛的な歌声にあわせて、バーベルを上げ下げする熊田先輩。

掛け声は相変わらず“ヨ〜ソロ〜！”だ。

間近で見る“ヨ〜ソロ〜！”まじハンパない。圧倒的。