放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
頭をあげると、熊田先輩のフェイスは無表情だった。
目線をそらし冷たく言い放つ熊田先輩。
「あやまってもらう必要はない」
表情と言葉の意味がうまくつかめなくて、どうしていいかわからない俺。
熊田先輩はなおも続ける。
「お前は初め“柔道を恋人にしたい”と言った。だから俺は、お前を弟の様に思ったが、お前はいつのまにやら、どこぞのバカ女と付き合いだした。お前は嘘つきだ。いいか、女はバカだ。そして女と付き合う野郎もバカだ。つまりお前は、嘘つきでバカだ。俺は嘘つきでバカの謝罪なんか欲しくない。だからお前は俺にあやまる必要はない」
なんだかよくわからないが、とりあえず返す言葉が見つからない。
黙る俺に熊田先輩は言う。
「夏の大会まであとどれくらいだ?」
頭の中にカレンダーを思い浮べる俺、しかしすぐには出てこない。
「あと半月!大会まで2週間だ!そして1週間後には期末テストだ。期末テスト中は部活動は停止される。期末テスト期間は何日だ?」
え?期末テストは何日間だ?またもきょどる俺。
「期末テスト期間は1週間だ!つ・ま・り・夏の大会まで、俺達に残された練習時間はあと1週間しかない。1週間したら、期末テストに入り、何も練習出来ないまま、夏の大会が始まる。俺はこの1週間、死ぬほど練習しようと思ってる。なぜなら、これが高校最後の大会で、高校最後の練習だからだ」
そうだ…、熊田先輩と主将はこれが最後の大会なんだ。
「今は、俺にとって貴重な練習時間だ。嘘つきでバカにかまっている暇はない。早く部室から出ていけ。お前はバカ女とイチャついていればいいだろ」
何も言えない俺。
ただ黙ってドアに向かうしかない。
背中で熊田先輩の声がする。
「残念だ。お前の様な嘘つきでバカな奴と同じチームで、最後の大会に出なければならないなんて」
…。
俺は無言で部室のドアを閉めた。
ドアの向こうから再び、熊田先輩の“ヨ〜ソロ〜!”が聞こえた。
目線をそらし冷たく言い放つ熊田先輩。
「あやまってもらう必要はない」
表情と言葉の意味がうまくつかめなくて、どうしていいかわからない俺。
熊田先輩はなおも続ける。
「お前は初め“柔道を恋人にしたい”と言った。だから俺は、お前を弟の様に思ったが、お前はいつのまにやら、どこぞのバカ女と付き合いだした。お前は嘘つきだ。いいか、女はバカだ。そして女と付き合う野郎もバカだ。つまりお前は、嘘つきでバカだ。俺は嘘つきでバカの謝罪なんか欲しくない。だからお前は俺にあやまる必要はない」
なんだかよくわからないが、とりあえず返す言葉が見つからない。
黙る俺に熊田先輩は言う。
「夏の大会まであとどれくらいだ?」
頭の中にカレンダーを思い浮べる俺、しかしすぐには出てこない。
「あと半月!大会まで2週間だ!そして1週間後には期末テストだ。期末テスト中は部活動は停止される。期末テスト期間は何日だ?」
え?期末テストは何日間だ?またもきょどる俺。
「期末テスト期間は1週間だ!つ・ま・り・夏の大会まで、俺達に残された練習時間はあと1週間しかない。1週間したら、期末テストに入り、何も練習出来ないまま、夏の大会が始まる。俺はこの1週間、死ぬほど練習しようと思ってる。なぜなら、これが高校最後の大会で、高校最後の練習だからだ」
そうだ…、熊田先輩と主将はこれが最後の大会なんだ。
「今は、俺にとって貴重な練習時間だ。嘘つきでバカにかまっている暇はない。早く部室から出ていけ。お前はバカ女とイチャついていればいいだろ」
何も言えない俺。
ただ黙ってドアに向かうしかない。
背中で熊田先輩の声がする。
「残念だ。お前の様な嘘つきでバカな奴と同じチームで、最後の大会に出なければならないなんて」
…。
俺は無言で部室のドアを閉めた。
ドアの向こうから再び、熊田先輩の“ヨ〜ソロ〜!”が聞こえた。