放課後の寝技特訓・熊田先輩の横四方固め
亜希のカップサイズを知れて、恍惚の表情をしてる俺に、亜希はさらに続けるんだ。

「あ、そうだ、携帯、私も買ってもらったばっかりなんだよ」

なんて言いながら、真新しい白い携帯電話をポケットから取り出してさ。

さすがに、“まさかな…”って思ったんだけどさ、やっぱりその、まさかだった。

亜希またもや、胸の前に携帯を持ってさ、俺に見せつけたんだよね。

俺はおもわずつぶやいたさ。
“ふふふ、バカめ、1度ならず2度までも”

2度目のゴッドアイズが炸裂。

82だったね、82のBだった。

聞こえたよ、観客の熱い叫びが俺の脳に届いた。

“ガリレオ!センキュー!ガリレオ!センキュー!”
俺の顔はもうとろけまくり。

だけど、亜希は俺のそんなイヤラシイ顔にも、ほほ笑みを返してくれるの。

さすがにその状況には、罪悪感をおぼえた。

せっかく話し掛けてきてくれたレディーに、照れ隠しとはいえゴッドアイズはないわなって。

まあ、俺、女の子と付き合ったことないし、“Bだ82だ”なんて言っても実際あってないんだろうけどね…。

とりあえずここでリングアナにはおさらば。
脳みその引き出しに帰ってもらう。
それが俺のせめてもの贖罪の形だね。

罪深い俺に、亜希は続けてくれた。

「ねえ、着メロなににしてるの?」

うん、この娘は良い娘だ。
こんなに良い娘の問い掛けだもん、俺も真摯に答えたくなるよね。

だから俺はふか〜く息を吸ってさ、でっかい声で言ってやったさ。

「ピピピピピピ!」って。

俺の渾身の着信音の口真似。
まあ、亜希の笑顔は速攻引きつったわな。
なんだか、あぶない人を見る目でさ。

「…。ピピピ。えっとね、俺の着メロはピピピピピピって、そのままのやつだよ」

さすがにやばそうだったので、ちゃんと説明したら、亜希はほっとした顔をして言ったよ。

「いきなり“ピピピ”とか言いだしたから、なにかと思ったよ〜」
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