心日和、キミあられ
部屋に戻ると、二人の姿はもうなかった
変わりに真和くんとなぜか陵におんぶしてもらっているお姉ちゃんがいた。
「え?何してんの。」
半笑いで言うと、真和くんが近付いてきて突然あたしもおぶられた。
「緊張を解くおまじないよ。まあ、緊張したら七海は真和におぶられた時の暖かさ、陵はあたしをおぶったときの胸の感触を思い出せば緊張なんかしないわよ」
と自信満々にいうお姉ちゃんをみて、
あたし、絶対今日は緊張しないわ。
本気でそう思った。
陵はそれどころじゃないらしく、
「お姉さん、俺緊張しすぎて注射器が...撃たないと大変なことに...!!」
と、変な方向に走っていた
「おい、陵。俺の部屋にちゃんとアレあっから使うんならそれ使えよ。」
どんどん繰り広げられる未知の世界に、あたしは翻弄させられて。お姉ちゃんは笑いながら、
「一回一万よ」
と商売していた。
「もう、朝からこんな話しないでっ」
顔を真っ赤にしながら叫んだあたしを皆で笑いながら、
真和くんは『よしよし』と背中を揺らしながらあやしてくれていた
「じゃあ行ってきますっ!!」
そう言い、二人家をでる。
たわいもない話をしながら試験会場へ向かう中、陵が
「お前、これ終わったらすることあるよな。どんな結果でもいい、お前が前に進むためにいってこい」
と、言い出した。