オフサイド
自宅までの帰り道――
久しぶりに3人で帰ったものの、心中は複雑だった。
嬉しい反面、戸惑いもあって……
中学の時と変わらぬ二人の様子に安堵するも、心ここにあらずで上手く笑えない。
久しぶりに会う裕也が別人のように変わってはいないかと、そればかりが気になって……
不安に襲われていた。
「じゃ、またね〜!」
「うん。またメールするね!」
「菜摘ちゃん、バイバーイ」
自宅前で二人と別れると、重い足取りのまま玄関のチャイムを鳴らしたが、返事はなかった。