オフサイド
時間がない。


でも、服装に迷う。 


あんまり気合いの入った服装も、何か勘違いしているようだし……


かといって、オシャレに気を配らないのもどうかと思う。


あれこれ鏡の前で合わせてみるけど、今一つピンとこない。 


胸が開きすぎていたり、丈が短かったり。


胸の膨らみや身体のラインを強調しているようにも感じて……。


こんなことなら、薫にどんな服装で行くのか聞いておけばよかった。


――と、そのとき、部屋のドアがガチャリと開いた。

振り返ると、大輝だった。 

「――…ッ。ちょっと、ちゃんとノックくらいしてよ!」


「はぁ?姉ちゃんのそんなの見ても何とも思わねぇし!それより英語の辞書貸してよ!」


「辞書くらい、自分の使いなよ」



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