オフサイド
「おぉ、怖っ!せいぜい頑張っていいオトコ捕まえてこいよ!」 


「もう分かったから」


「じゃーね」 


大輝は、笑いながら部屋を出て行った。


手にしたカットソーに袖を通しながら、大輝の言葉が頭の中で繰り返された。


『高校生のくせにキスもまだなんて、マジでヤバイよ』


マジでヤバイ、か。


壁に掛けられた時計を見ると、みんなとの待ち合わせ時間まであと15分しかない。


それを振り払うように慌てて着替えを済ませ、待ち合わせ場所へと自転車を走らせた――。




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