オフサイド
スーパーの駐輪場に自転車を停めると、すぐさまみんなの姿を探した。


あっ……!!


入り口近くの自販機コーナーにたむろしている男の子と女の子たちを発見した。 


急いで駆け寄ると、サッと後ろを振り返る影があった。 


――榊くんだった。 



目が合い、意味もなく、胸がドクンと音を立てた。 

でも、振り返るだけで、彼は何も言葉を発しなかった。 


榊くんが参加することは予想されたことだけど、なんとなく意外だった。


カラオケのときだって、行かなかった榊くんだから、友達の付き合いなんて二の次だと思っていたから。



< 130 / 362 >

この作品をシェア

pagetop