オフサイド
アスファルトをジリジリと照りつける太陽が反射して、焼け付くような熱さに容赦なく襲われる。 


他愛もない話をしながら、まだ来ていないメンバーを待つ。 


薫からは、はっきりとした人数や名前を聞いていなかったけど、あとは薫ぐらい…? 


遅れること10分。


薫は、田口くんと一緒に大きな荷物を抱え、ようやく姿を現した。 


二人とも、額には大粒の汗が滲んでいる。 


「お待たせー」


「おせーよ!」


荷物を置いた薫は、私と有美に近寄り、「遅くなってごめんね」と耳打ちした。 


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