オフサイド
ピンクのTシャツにデニム地のミニスカートを履いた薫は、ペットボトルのお茶を取り出すと、それを一口飲んでから言葉を継いだ。


「田口くんが、バーベキューセットを用意するっていうから手伝ったの」


「なんで、薫が?」


「頼まれたから」


「へっ?!」


今一つ、薫の話がよく分からなくて、首を傾げた。 

榊くんを狙っているはずなのに、田口くんの手伝いをするなんて……。 


もしかして、榊くんの歓心でも買おうとしているのかな…? 


有美は特に気にするわけでもなく、修くんたちと楽しそうに話し込んでいる。



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