オフサイド
自動ドアを抜けると、照りつける夏の太陽の熱さに目眩がしそうだった。


おまけに、目の前を行き交う車の排気ガスに、口を押さえたほどだ。 


「暑すぎー!!」


「ほら、やっぱり言った!」

「………」


さっきのやり取りが思い返され、またしても笑みが零れた。


「ちょっと買いすぎちゃったかな?荷物、重くない?」


「こんなもんじゃねぇ?」

榊くんの両手を塞いでいる手荷物が気になってしまう。


「ひとつ持つよ」と言っても「いいから」と、言って聞かない。


榊くんと一緒にいて、こんなにも自然体でいられるのって、初めてだ。



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