オフサイド
夏休み最初の土曜日ということもあって、海は人・人・人の物凄い混みようだった。


海水浴場から少し離れた、遊泳禁止区域に薫たちはいるはずだ。 


そこを目指して歩くのだけど……なかなか目的地まで到着しない。 


サンダルに入り込む砂や貝殻の欠片が、行く手を阻む。 


「あっちー!」


砂の温度って、いったい何度くらいなんだろう。 


火傷しそうなほどに、熱くなった砂を踏み分け、薫たちを捜す。



「あっ……いた!」


「えっ、どこ?」




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