オフサイド


……どうしよう。


勢いで乗り込んでしまったものの、たちまちこの状況に焦りが生じた。


12両目のデッキで立ち尽くしていると、こちらに向かって真っ直ぐ歩いてくる裕也の姿が見える。 


……ヤバい!


やだ、どうしよう。


隠れなきゃ! 


頭ではそう思うのだけれど、体がびくとも動かない。


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