オフサイド
食材を一通り切り終えると、有美が波と戯れる男の子たちに向かって大声で叫んだ。


「準備できたよー!そろそろ始めよう!」


「「おぉー!!」」


次々と、水から這い上がってくる男の子たち。


その中でも、榊くんに目を奪われた。


いつの間に、あの輪の中にいたんだろう。


絶対、あんなことしないだろうと思っていたのに……。

意外だった。


ブラウンの髪の毛が濡れて、オールバックになった髪を無造作に掻き上げている。


修くんたちに無理やり引っ張られたのか、さっきまで身に纏っていたTシャツは透けて肌を露出させていた。


不覚にも、一瞬、目を伏せてしまった。



< 144 / 362 >

この作品をシェア

pagetop