オフサイド


――ドサッ。


「キャッ」


短い悲鳴とともに、勢い余って裕也を押し倒す形で、彼の胸に倒れこんだ。 


「うわわわっ、ごめん」


思いも寄らないハプニングに、慌てて身体を離すも、

心臓はバクバク音を立て、恥ずかしさで、身体中の水分が失われていくようだった。


「大丈夫だよ、菜摘。
ここまでよく頑張ったな」

そう言うと、裕也は優しく私の頭を撫でた。




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