オフサイド
吸い込まれそうなコバルトブルーの海が、夕陽に照らされ、キラキラと輝いている。 


「キレイ……」


「だろう?ここは俺の大切な場所だから、菜摘を連れてきたかったんだ」


「大切な場所?」


「あぁ。いつも何か考えたいことがあったり、悩んだりしたときには、ここに来てたんだ。海を見てると落ち着くんだよ。特に、ここから見える景色が、ね」


「裕也……」


裕也の言葉が優しくて、鼻の奥がツンとした。


さりげなく繋がれた左手に、内心ドキッとしながらも平静を装った。



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