オフサイド
裕也の大きな胸に包まれた私は、何度も何度も優しく頭を撫でられた。
一つひとつ確かめるように触れられる五本の指先に、
身体中の全神経が、研ぎ澄まされるような感覚を覚えた。
顔の輪郭から目元、鼻筋と通った指先は、
唇のところで一本に移し替えられ、ゆっくりと形をなぞっていった。
変にドキドキして、目を合わせることが憚られ、俯いてしまう。
裕也のちょうど胸元の辺り、Tシャツから覗かせる鎖骨の辺りを眺めていた。
――と、
突然、おでことおでこが重なり合い、その瞬間、心臓が飛び上がりそうになった。