オフサイド


「それに……この海も空も辿っていけば、ひとつに繋がっているだろう?だから俺たちはいつも一緒だよ!」


「………」 


「そんな顔すんなよ!一生の別れじゃないんだから」

「だって……」


次、いつ会えるかも分からないんだよ。


そんなの、辛いよ……。


「淋しくなったらこの海を見に来たらいい。来れないときは、空を見上げろよ。俺も九州から同じ空を見上げてるから」


「裕也……」


零れ落ちそうになる涙をぐっと堪え、どこまでもどこまでも果てしなく広がる海と空を眺めた――。 




< 181 / 362 >

この作品をシェア

pagetop