オフサイド
みんなのように、彼氏と二人乗りすることに憧れていた日々。 


それは、叶えられないものだと思っていたから……


嬉しくて、涙が出そうだった。


裕也の扱ぐペダルが、風を切り、物凄い速さで駆け抜けていく。


こっそり、裕也の背中に頬を近付けた。 



このまま…… 


このまま……


二人だけの時間が永遠になればいいのに―――…。






何度、そう願ったことだろう。


だんだんと近付く、自宅までの道のり。


見慣れた風景。


それは、別れに近付くカウントダウンの始まりだった――。 




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