オフサイド
市民体育館を中心に、陸上競技場、野球場、テニスコートと広大な広さをもつ『スポーツ広場』。 


ここまで来ると、国道の喧騒からは遠ざかり、裕也は乗っていた自転車を停めた。


「降りて!ここからは歩いて行こう!」


そこは、ランニングコースと遊歩道を兼ねた、細い砂利道だった。


この道の突き当たりは、私の家の前を走る幹線道路に繋がっている。 


少しでも長く一緒にいたい、という私の気持ちを汲んでくれたのかな……?


さりげなく、自転車を降りてくれた裕也に、心の中で感謝した。



< 190 / 362 >

この作品をシェア

pagetop