オフサイド
桜の木と思われる、背の高い落葉喬木で囲われた砂利道。


ぼんやりと辺りを照らす、等間隔に置かれた街灯を頼りに歩を進めた。


耳を澄ますと聞こえてくる、小さな虫たちの合奏。


ザクザクと、石を踏みしめて歩く音だけが、静かな夜道に響き渡る。


見上げると、お月様が頭上から顔を覗かせている。


一緒にいて嬉しいはずなのに……


あまりにも静かな雰囲気が、もの寂しさを漂わせ、私の心に暗い影を落とした。 



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