オフサイド


そんな私の不安を、裕也の一言で解消してくれた。 

「時間は大丈夫?」


「うん。夜までに帰れば……」


不安がないこともなかったけど、今は裕也と一緒にいたいから。


門限のことなど、無理やり頭から消し去った。 


「じゃあ、名古屋までいい?」


「名古屋?」


「うん。新横浜を過ぎると名古屋まで停まらないから。今、12時30分だからとんぼ返りしても17時には東京に戻って来れるよ!」


「うん」


裕也の意見に賛成した。


きちんと先のことまで考えてくれる裕也は、同じ中3とは思えないくらいしっかりしていて、頼りになった。 



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