オフサイド
はしゃぐ薫たちの隣で、思うように会話も進まない私と榊くん。


手持ち無沙汰になり、携帯で時間を確認すると、急に焦りが生じた。


「あっ、やばっ!
薫やばいよ!交替の時間だから急がなきゃ!」


「えっ?……ホントだ!
ねぇ、私たちが仕事している間、うちの店に食べに来る?」


「行ってもいいの?」


「もちろん!みんなに和也のこと、自慢しちゃうんだぁ」


田口くんの腕に自分の腕を絡め、茶目っ気たっぷりに話す薫。


そんな薫が、すごく可愛いんだけど……


マジで教室に連れて行くの!?


田口くんもまんざらでもない様子だし、嬉しそうに話す薫に私は何も言えなかった。 



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