オフサイド


ドクン…… 

ドクン…… 

ドクン…… 



これでもか、というぐらい激しく波打つ心臓の音に、息を吸うのもやっとだった。 

榊くんが言っていることが理解できなくて……。 


裕也が病院に……?


どんな怪我なのか、裕也は元気なのか、肝心のことを尋ねたはずなのに……。


急展開すぎる状況に、頭が追い付かない。 


その場の空気が重く垂れ、それまで聞こえていた賑やかな話し声も、私の耳には届かなくなっていた――。






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