オフサイド
――――――――――
――――――――
―――――― 



そのあとのことは、あまり覚えていない。


榊くんに話を聞いた私は、学園祭どころじゃなくなって。 


打ち上げはもちろん、片付けさえ、ろくに手伝わずに急いで帰り支度を始めた。


裕也……いったい何があったの? 


それに、どうして……?


どうして、私には何も言ってくれなかったの? 


私の存在って、裕也のなんなの?


あんまりだよ……。 


私は……裕也の彼女じゃないの? 


震える身体と胸の奥に感じる痛みの中、私は走りだしていた――。




< 225 / 362 >

この作品をシェア

pagetop