オフサイド


――それから数日後



学園祭ムードが落ち着き、いつもの学校生活に戻った頃、私の身辺が慌ただしくなった。


あの日、榊くんとの協力を求めた奈緒が、積極的な姿勢を見せたからだ。 



薫や私を通し、榊くんとの接触を希望した奈緒。



でも、肝心の榊くんが奈緒との接触を望まなかったものだから……。 



「ねぇ、菜摘から榊くんに話をしてくれない?」 



「えっ、話って?」 



「だからー、私がどれだけいい子か話をしてほしいの!菜摘から勧めてよ、私のこと」 



「えっ!?……うん」 



気が乗らない話ではあったけど、断る理由も見つからなくて、曖昧に返事をした。 






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