オフサイド
――数日後
いつものようにお見舞いに行くと、談話室に見慣れた顔ぶれが並んでいる。
小走りで駆け寄ると、明らかにその場の空気が変わるのを感じた。
「あれっ、みんな来てたんだね。裕也は?」
それを悟られないよう、普通に話したつもりだ。
でも、どこか違和感を感じた。
下に向いた目線。
誰も私と積極的に目を合わせようとしない。
なんだろう……?
私、何かしちゃったかな?
「裕也は、今リハビリ中だよ」
「そっか!ありがとう」
ぎこちない雰囲気から逃げるように、その場から立ち去った。