オフサイド
行ってみようかな、あそこへ。 


急に思い立ち、炬燵から飛び出て、ダウンジャケットを羽織り、手袋を嵌めた。 


「お母さん、ちょっと出掛けてくるから」 



「えっ、今から?」 



「うん。すぐ戻るから」



―――…バタンっ。 



玄関のドアを閉めると、すぐ脇にある車庫から自転車を取り出し、ハンドルを握った。 




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