オフサイド


こんな二人だけの穏やかな時間がずっと続けばいいのに……。 


私も博多まで一緒に行きたい。 

裕也と一緒に行きたい。 

裕也とずっと手を繋いでいたい。







ねぇ、裕也……

あのとき裕也はどんな気持ちだった? 


私と同じように離ればなれになるのを悲しんでいた?


それとも、これから始まる新しい生活のことで頭がいっぱいだった?


私は、あのまま時間が止まって欲しかったよ。 


永遠に名古屋に着かないで欲しかった――…。 





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