オフサイド



――半年後。 


高校へ向かう坂道が、薄いピンク色をした桜の絨毯で染められた。



ちらちらと雪のように舞う桜の花びらが、そこを行き交う高校生の肩に舞い降りる。


何枚も重なり合った桜の花びらの上を、ゆっくりと歩きながら。


東高と西高の境にある『山本商店』をちらりと覗き、そのまま学校へ向かった。


澄み渡る青空と満開の桜に見守られ、先週、入学式が行われた。



入学してから早1年、私も2年生に進級した。



昇降口で上履きに履き替え、校舎二階の真ん中にある2年3組の教室を目指した。




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