オフサイド
「菜摘、おはようー!」



「おはよう!相変わらず、テンション高いね。」 



「そう?普通だけど」 



伸ばしかけの髪の毛を指でくるんと丸める仕草をした薫の机には、女子高生に大人気の雑誌が置かれていた。


「可愛い服、載ってた?」


「うん、これこれ!めちゃくちゃ可愛いと思わない?」


「うん、可愛いね!薫に似合いそう!」



「やっぱり?うふふ…来週、デートなんだ!」


「へぇー!いいね。どこに行くの?」


「水族館」


「いいなぁ!私なんてだいぶ行ってないよ。」



パラパラと雑誌を捲りながら、人気デートスポット情報をインプットする。  


デートする相手も、行く予定もないのに……。 




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