オフサイド
カップルで歩いているはずの女の子たちが、チラチラと隣にいる榊くんを見ているのだ。


中には、凝視している子もいる。 


彼女ではないけど、ちょっぴり優越感に浸った瞬間だった。 



「どうかした?」



「…えっ?ううん、どうもしないよ!」


慌てて首を横に振り、歩を進めた。  


北極海・南極海・太平洋・大西洋…と、エリア別に分かれた「世界の海」や「東京の海」。


ひときわ、人が集まっているところで足を止めた。



「うおー!」「すげぇー!」と、感嘆の声が上がる場所に吸い寄せられた。




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