オフサイド
榊くんはこんなときでもクールで、でも、楽しそうな表情を浮かべていた。 



そんな榊くんを見ていたら、私まで嬉しくなった。 


「次、行ってみる?」 



「うん」



歩きながら榊くんが気配りのできる人だということを知った。 



「トイレは大丈夫?今なら餌付けの最中だから空いてると思うけど?」



「うん、大丈夫だよ。」



「そっか。じゃ、少し休む?」 


ドリンクが並ぶ休憩コーナーに目配せした。



「そうだね。立ちっぱなしだったから少し疲れたよね。休もうか!」 



自動販売機に一番近い、ベンチの端っこに腰掛けた。 



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