オフサイド
「何、飲む?」と聞かれ、「爽健美茶」と答えると、すぐさまポケットから財布を取り出しコインを投入した。


がシャン、と勢いよく出てきたペットボトル。手渡されたときに軽く触れた指先に、ドキッとした。



「ありがとう。はい、これ」と、榊くんに小銭を差し出したが、受け取らない。 


「さっきも出してもらったし、悪いよ。」 



「いいよ、今日は」 



「今日は、って……。本当にいいの?じゃ、次は私に奢らせてね。」



軽く頷く榊くんを見ながら、ハッとした。



簡単に「次は…」なんて言ってしまったけど、本当に次なんてあるのかな?



変な誤解をさせてしまったかな?などと、心中が穏やかではない。 




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