オフサイド
「前に、電車の中で話したことがあるんだけど覚えてるかな?」
ん、何のことだろう?
首をかしげ、次の言葉を待った。
「東南学園の前を通ったとき、俺、菜摘ちゃんにキツいこと言ったよね。あのときは悪かった。ごめんね」
「えっ?ううん、とんでもない」
ぶるぶると頭を横に振って否定した。
私立の潤沢な資金を楯に、「勝って当たり前」などと横柄なことを言ってしまった自分の方が何倍も恥ずかしい。
穴にでも入りたい心境だ。
それを見越したように、榊くんは続けた。
「確かに、私立は練習場にしろ、クラブハウスにしろ、公立より環境面でかなり恵まれてるよ。だから、菜摘ちゃんが言ったのも一理あるよ。
ただ、あいつなら特待生として受け入れる学校がいくらでもあったはずなのに、それをきっぱりと断ったんだからさすがだよ!」
あのときの……?
ん、何のことだろう?
首をかしげ、次の言葉を待った。
「東南学園の前を通ったとき、俺、菜摘ちゃんにキツいこと言ったよね。あのときは悪かった。ごめんね」
「えっ?ううん、とんでもない」
ぶるぶると頭を横に振って否定した。
私立の潤沢な資金を楯に、「勝って当たり前」などと横柄なことを言ってしまった自分の方が何倍も恥ずかしい。
穴にでも入りたい心境だ。
それを見越したように、榊くんは続けた。
「確かに、私立は練習場にしろ、クラブハウスにしろ、公立より環境面でかなり恵まれてるよ。だから、菜摘ちゃんが言ったのも一理あるよ。
ただ、あいつなら特待生として受け入れる学校がいくらでもあったはずなのに、それをきっぱりと断ったんだからさすがだよ!」
あのときの……?