オフサイド
「駅に着いたら起こすから寝てていいよ」



遠くで聞こえる、榊くんの優しい声に頷いたような気もするけど、よく覚えていない。



額に感じる金属の冷たさが、日に焼け、赤みを帯びた肌には気持ちよかった。



そのまま吸い込まれように、夢の中へと落ちていった――。 












誰かが、優しく私の頭を撫でている。泣いている子をあやすように。 



『大丈夫だよ』とでも、言いたげな大きな掌。



その心地よいリズムに身を預け、頭をもたれた。





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