オフサイド
「さっ、降りよう!」
「うん」
榊くんに続き、混雑する車内を縫うように練り歩いた。
ホームに降り立つと、テナントの入ったビルの隙間からオレンジ色に染まった夕陽が顔を覗かせていた。
あまりにも美しいその夕陽に目を奪われ、立ち竦んだ。
私の隣で同じように立ち止まる榊くんと目が合い、どちらともなく再び歩きだした。
改札口を目指し、階段を下りる私をさりげなく手摺り側に寄せ、その隣を歩く榊くん。
その気遣いに、少しだけ胸がキュンとなった。
「じゃ、ここで!今日はありがとう」
「こっちこそ、ありがとう!練習頑張ってね。またね」
バス乗り場へ向かう榊くんの背中を、夕陽がオレンジ色に染めた。
その背中が見えなくなるまで、ずっと見送った――。
「うん」
榊くんに続き、混雑する車内を縫うように練り歩いた。
ホームに降り立つと、テナントの入ったビルの隙間からオレンジ色に染まった夕陽が顔を覗かせていた。
あまりにも美しいその夕陽に目を奪われ、立ち竦んだ。
私の隣で同じように立ち止まる榊くんと目が合い、どちらともなく再び歩きだした。
改札口を目指し、階段を下りる私をさりげなく手摺り側に寄せ、その隣を歩く榊くん。
その気遣いに、少しだけ胸がキュンとなった。
「じゃ、ここで!今日はありがとう」
「こっちこそ、ありがとう!練習頑張ってね。またね」
バス乗り場へ向かう榊くんの背中を、夕陽がオレンジ色に染めた。
その背中が見えなくなるまで、ずっと見送った――。