オフサイド
「菜摘ちゃん、そろそろ休憩に入っていいよ」
店長さんだ。
この人が、お父さんにアルバイトの話をもちかけた人。
「はーい」
ようやく昼時のピークを過ぎ、店の中も混雑が緩和した。
時刻は、午後2時。
朝ご飯を食べてから6時間が経過している。
「お腹空いただろう?今日は何にする?」
「えーと、じゃ、梅干しとカツオのおにぎりでお願いします!」
ここのバイトのいいところは、昼食を出してくれること。
本当は、食べた分、バイト代から差し引かれるんだけど、私だけ特別にOKされている。
でも、さすがに高いお弁当は気が引けるから、おにぎりやサンドイッチ程度なんだけど。