オフサイド
二人は遠回りして、私の家の近くまで送ってくれた。
ここは、去年の夏、裕也と一緒に通ったあの道だ。
幹線道路から一本入っただけで、静かな遊歩道。
「ここからなら菜摘ちゃんち近いよな?一人で大丈夫?」
自転車で5分も走れば、自宅だ。
「うん。全然平気!
だって、いつも一人で帰ってるんだよ!二人とも過保護だから」
「あははは。そうかもな。俺ら、なんか菜摘ちゃんのことになると過保護になるもんな」
「ま、保護者ってことで、何かあったらいつでも言ってね。俺らが力になるから」
「うん、ありがとう。
じゃ、またね!」
二人と別れた私は、気分よく家路へ向かおうとした。
そこに、待ち受ける恐怖があるとも知らずに――。