オフサイド


夕方の5時といっても、夏の空はまだ明るい。 


ほんと、みんな心配性なんだから……。 


でも、嬉しかったな。 


裕也とは別れることになったけど、修くんも真吾くんも昔と変わらず接してくれるから。 


明るい二人といると、なんとなく裕也が近くにいるような気がするんだよな。


今頃、何してるんだろうな。

練習がんばってるかな。


長崎も暑いのかな。


――…あっ、やだ。


さっきから裕也のことばかり考えている。 


修くんたちに会ったせいかな?それとも、この道を通ってるせいかな? 


こんなこと、珍しい。


思い出に浸っていた私は、砂利道を自転車に跨らず、押していった。



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