オフサイド


そんな男から逃げようと身体を動かすたびに、芝生がチクチクと肌に突き刺さる。 


痛い。でも、それ以上に心が痛い。


誰か、誰か……助けて。


タラーッと涙が一筋、頬を伝っていく。


私、このまま知らない男にヤられちゃうの?


嫌よ、嫌!
そんなの、絶対に嫌!!


手足をばたつかせ、最後の抵抗を試みた。 



< 338 / 362 >

この作品をシェア

pagetop